キャリア教育、特別活動
【NEW】キャリア教育「能代先生ご夫妻をお迎えして~医師によるキャリア教育~」
2025年11月20日木曜日の午後、スクール4年生の能代青君のお父様とお母様が、来校し、スクール4,5,6年生を対象としたキャリア教育の講師をしてくださいました。この日、4年生たちは、授業前に能代さんご夫妻と給食を食し、とても楽し気な雰囲気からキャリア教育がスタートしました。


① 能代究(きわむ)先生より~「海外留学についてのお話と研究者(基礎研究)の仕事」~
「産婦人科医を目指すきっかけ」
最初に現在、北海道大学病院で産婦人科医をされているお父様より医師になるまでの軌跡をご自身の小学校時代からお話ししていただきました。
能代先生は、子どもの頃は、お寿司が好きで、お寿司屋さんになりたかったそうです。しかし、夢は変わり、高校2年生の時にDNAに興味を持ち、進学は理学部を目指し、生物研究者を夢見たそうです。
高校3年生の時には医学部でもDNAの研究はできるということを知り、また、人と接するお仕事に就きたい、将来、人の役に立ちたいという考えから、医学部に入学し、医師を目指すようになったそうです


「医師」と一言で言っても、内科、外科、皮膚科、精神科など、色々な科がありますが、能代先生が産婦人科を目指すきっかけとなった背景として、2004年、過疎地域にあった福島県立大野病院で、帝王切開手術を受けた産婦が死亡し、産婦人科医が逮捕されるという痛ましい事件があったということを教えていただきました。
その事件から産婦人科医になると訴訟が多いというイメージがつき、当時の医学生の進路先として避けられるようになったそうです。
そのような中、ご自身も田舎町出身で地域医療における産婦人科医不足が問題であろうと考え、生物学やDNAの研究に関してはまだ興味はあったものの、医学部生の内に将来、産婦人科医として働くことを決意したそうです。
「帝王切開の動画」
能代先生は、講義の途中で、帝王切開手術の実際の動画を見せてくださいました。そこには、複数の医師や助産師、看護師たちが1つの命のために帝王切開手術に携わっている姿を見ることができました。
赤ちゃんの顔がお腹から出てきた時には「頑張れ!」という掛け声や拍手が子ども達の中からも聞こえてきました。非常に感動的な動画で、赤ちゃんが無事に生まれてきた時には、目頭が熱くなりました。

「アメリカ留学・アメリカでの生活」
北海道大学病院で産婦人科医として働いている2021年に、北海道大学医学部産婦人科とアメリカ・ペンシルバニア大学との間にヒトiPS細胞から精子や卵子を作る共同研究が始まり、能代先生が学生時代にあこがれていたDNA研究ができるチャンスが訪れました。
それは、高校生の時に思い描いていた夢が叶う瞬間でもありました。そして、能代先生は2023年4月からアメリカに行き、2025年2月までフィラデルフィアで研究員として勤めることになりました。


講義の中では、アメリカでの生活や研究者の研究内容、また、研究者の1日の生活なども教えていただきました。
アメリカでの基礎研究では、失敗することも多くあったそうで、能代先生からは、授業の最後に子ども達に対して、「(失敗しても)色々な事にチャレンジしよう。」「何でもチャレンジ出来る様にコツコツ努力しよう。」「自分の好きな事・興味があることを見つけたら、それを全力でやり切ろう」というお言葉をいただきました。

② 能代知美先生より~「みんなの体を守る授業」~
「進路・受験について」
能代知美先生からも、お父様同様、医師になるまでの道のりについて、勉強量と受験の合格・不合格をグラフで紹介していただきました。
能代先生は受験に関して合格・不合格のどちらも経験する中で、スクール生たちに「失敗しても大丈夫!チャレンジしたことに意味がある!」という励ましのメッセージをくださいました。
特にもう2か月弱で私立中学校受験を迎える現スクール6年生には、激励のメッセージになったのではないでしょうか?

「感染症について」
次に、能代先生から感染症がどのように広まるかについて色水を使った実験で教わりました。この実験では、目に見えないウィルスがどのように広がっていくかが可視化でき、子ども達も大変盛り上がっていました。



「思春期の心と体の変化について」
また、能代先生からは、「思春期」という言葉を基調に、以下の3つのことを学びました。
1) 思春期には心と体に変化が現れること
2) 「生理」について~生理用品に触れる~
3) SNSへの注意とコミュニケーションについて

2)の「生理」については、ナプキンなどの生理用品を持参していただき、実際に生理用品に触れる時間が持たれました。今回は、男子にも生理用品が配られました。
生理中の女性の心と体について知らないことで、誰かを傷つけてしまう可能性があったり、逆に知ることで、困っている人を助けたり、優しさにつながるため、男子も一緒に学びました。
「精神科医ってどんなことをしているの?」
能代知美先生は、現在、精神科医として働いておられ、今回の授業では精神科医として、思春期に起こりうる子ども達の心の変化について、詳しく教えてくださいました。
以上、能代先生ご夫妻をお迎えして行われた「医師によるキャリア教育」の報告でしたが、改めて思うことは、保護者の皆様のスクールへのご理解とご協力への感謝です。能代先生、お忙しい中、素晴らしい授業をご準備してくださり、ありがとうございました。



「性」という漢字は「心が生きる」と書きますが、貴重な2時間の授業を通して、子ども達の表情が以前に増して嬉しそうで、生き生きとキラキラしている笑顔が印象的でした!



